脳卒中(脳血管障害)、つまり脳の血管が破れたり詰まったりして意識障害や運動障害などを引き起こし、死に至ることも多い病気ですが、この脳卒中とお口の中の細菌が関係あることが分かってきています。

お口の中には悪さをしない細菌から虫歯菌、歯周病菌といった何らかの影響を与えるものまで沢山の種類の細菌が存在しています。

脳卒中の予防には勿論従来からよく知られている喫煙や塩分摂取量といった生活習慣に関わるものや、高血圧、高脂血症、糖尿病、不整脈といった危険因子への対策が大切です。

・・が、それと同時に歯周病や虫歯の治療、そして口腔ケアが大切らしいのです。

<第44回日本脳卒中学会学術集会でのシンポジウムより>

虫歯菌として有名なミュータンス菌ですが、その中でもCnmタンパクを持つ菌を口腔内に持つ人(日本人では10〜20%)はそうでない人に比べて脳出血の発症頻度が高いことが明らかになりました。

この菌は特に歯周病があると大量に、そして通常の歯磨き等でも血液中に侵入し菌血症(細菌が血液中に侵入した状態)になります。

その菌が血管壁にへばりついて炎症を起こし、出血しやすくなるということです。

高血圧が原因と考えられた脳出血の26%の患者さんにこの菌の感染が見られたという報告もあり、脳出血の重要な危険因子であるかもしれないのです。

もし保菌者への治療介入を行なった場合、年間3万人の脳微小出血が予防可能になると推定する研究も出ています。

しかもCnm陽性患者の脳出血のサイズは小さい割に長期予後不良だということです。


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