5月に入り春から初夏へ、季節の変わり目とも言える今日この頃ですが、皆さん‘気象病’という言葉を聞いたことはありますか?
雨や曇りで天気が悪かったり、季節の変わり目や台風の接近に伴い、頭痛、眠気などの体調不良を引き起こしたり症状を悪化させる疾患のことです。
「天気が悪いと古傷が疼く」といった天気痛と言われる様なものから、心臓発作や脳卒中といった命にかかわる類のものまで含めることもあります。
ドイツではド気象と病気の関連を調べる「生気象学」の研究が進んでおり、医学気象予報を国民に提供しているそうです。
詳細なメカニズムはいずれも不明ですが、気圧や気温、湿度などの急激な変化に人体が対応しきれないことが原因と考えられます。
歯科疾患においても、気象の変化が慢性歯周炎から急性の歯周炎を引き起こすと考えられ、特に気圧、気温、風速の3つが悪化させることがわかってきました。
台風などで気圧が急激に低くなると、アドレナリンが分泌されて歯周炎に関連する細菌を増殖する要因の一つになっているようです。
また、気温が急激に上昇しても、炎症を悪化させるサイトカインという物質が痛みや腫れなどを助長させてしまうそうです。
季節の変わり目や台風の時期に歯茎(はぐき)の調子がいつもとちがうなぁと感じたことのある方は、早目に歯科医院を受診しましょう!
新藤 恵久
日本医史学雑誌 41(2), 286-287, 1995-05-20医
林 進武 [他] , 埜口 五十雄 , 内藤 博 , 大浦 重光
日本口腔科学会雑誌 17(1), 118-123, 1968
